親の指導が中心になる小児科の仕事

看護師の間では、小児科が人気の診療科として挙げられます。もともと、子どもとのコミュニケーションを取るのが好きという女性が大半を占めている影響が大きいからといえるでしょう。しかし、小児科を選べば日常的に子どもの看護を行えるため、楽しく仕事に従事できると考えて選ばれるものの、現場で働いてみると想像とは異なっていたという印象を受けやすいのが現状です。
確かに子どもとのコミュニケーションは多いものの、実際に重大な仕事になるのは子どもへの指導よりも親に指導することでしょう。病気になってしまった子どもに対して親が過保護になっていて、まるで自分の所有物であるかのように振る舞うことも少なくありません。モンスターペアレントはよく知られていますが、それに近い親に対して適切な対応が強いられることもあります。子どもから様子を聞きたいのに、親が説明して子どもの本音が聞けずに困ることも多いです。
このような状況で適切に親とコミュニケーションを取り、子どもと本音でコミュニケーションを取るためのスキルが必要になります。親が過保護になりがちな現代はこの傾向が強まってきているため、親に対して適切な指導を行えることが看護師に求められるのです。ただ子どもに対してどうすれば病気に対処できるかを伝えるだけでなく、医師の前では子どもの意思を尊重して話をさせるように促していくことも欠かせません。これが小児科では重要な仕事になっているのが現状です。